(1)商標法第4条第1項第11号について
「申立人は、引用商標の構成中「HOTELS」の文字は引用役務との関係で識別力が弱い、前半の「ANGO」の文字は識別力が強い、引用商標は「ANGO」が独立した態様で取引に資されているなどから、引用商標は「ANGO」の部分が要部として認定されるべきである旨主張している。
しかしながら、引用商標の構成文字「ANGO HOTELS」は同じ書体、同じ大きさでまとまりよく一体的に表され、これから生じる「アンゴホテルズ」の称呼は無理なく一連に称呼し得るだけでなく、一体的な観念も生じるものである。
そして、引用商標は、たとえ、その構成中「HOTELS」の文字がそれ単独では指定役務「ホテルの事業の管理」との関係で識別力が弱いとしても、かかる構成、称呼及び観念においては「ANGO HOTELS」の構成文字全体をもって一体不可分のものとして認識、把握されるものとみるのが相当である。
また、申立人は、「Hotel(s)」等が「ホテル」の意味合いで一般によく用いられる語であり、「○○Hotel(s)」等の構成でホテル業に関わる役務分野に用いられるときには、簡易迅速をたっとぶ取引の実際において、前半の「○○」の部分がより強い識別機能を発揮し、自他役務が識別されることになる旨主張する。
しかしながら、甲第13号証に掲げられた証拠はいずれも第43類「宿泊施設の提供」の範ちゅうに属する役務に関するものであり、事例が相違する上に、前半の「○○」の部分のみの使用例はわずか一例にすぎず(甲13-4)、その一例も当該事業者自身によるものであるから、一般的、恒常的な取引の実情とはいえず、参考とならない。
そして、申立人は、専門分化(所有と経営と運営)が進むホテル業の分野において、MC方式と呼ばれるホテルの運営及び経営支援の委託契約を通じ、ホテルオーナーに対し提供される引用役務における取引の実情を考慮すれば、引用役務の内容を表す「HOTELS」の部分は、出所識別機能が弱い部分と認定されるべきである旨主張するが、甲第10号証及び甲第11号証は、単にホテル業の契約方式等を説明するにすぎず、類否判断において考慮すべき取引の実情を明らかにするものではないから、申立人の独自の主張といわざるを得ない。
さらに、申立人が主張する引用商標の使用態様は、個別具体的な使用例であって、一般的、恒常的な取引の実情とはいえず、類否判断において考慮することはできないなど、引用商標は、その構成中「ANGO」の文字部分を分離抽出し、他の商標と比較検討すべきとする事情は見いだせない。