本願商標は、「色育士」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、同じ書体によって外観上まとまりよく一体に表されており、構成中の「色育」の文字部分が独立して看者の注意を引くようなものではない。
また、その構成全体から生じうる「ショクイクシ」、「シキイクシ」及び「イロイクシ」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、たとえ、構成中の「士」の文字部分が、「一定の資格・役割をもった者。」(広辞苑第七版(株式会社岩波書店))の意味を有するものであり、たとえば、「行政書士」や「保育士」など、末尾に「士」の文字を配した国家資格の名称が存在し、それらの資格を付与する際に、検定試験などが実施されている実情が見受けられるとしても、本願商標のかかる構成及び称呼等においては、殊更に、その構成中の「士」の文字部分を捨象して「色育」の文字部分のみに着目し、これのみをもって取引に資されるというよりは、むしろ構成文字全体をもって一体不可分のものとして認識、把握され、取引されるとみるのが自然である。
そうすると、本願商標について、その構成中の「色育」の文字部分を分離、抽出し、その上で、本願商標と引用商標とが類似するとした原査定の判断は、妥当なものとはいえない。
さらに、本願商標全体と引用商標との比較において、他に両商標が類似するというべき事情は見いだせない。