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知財高判
H31.2.6

2019_審取No.4_MASTERS事件

MASTERS事件(無効審判)

事件番号

H30(行ケ)10154

事件種別

審決等取消訴訟(無効審判)

審判番号

無効2017-890011

事件の概要

原告は、被告の本件商標の無効請求商品役務につき、4条1項11号・15号・19号・7号を理由に無効審判を請求したところ、請求不成立の審決がされたため、その取消しを求めた。

原告 

オーガスタ ナショナル インコーポレイテッド(請求人)

被告 

コナミホールディングス㈱(被請求人)

原告

◆引用商標1ないし4

 

1:登録第1325831号

第24類「布製身の回り品」、第25類「被服」

 

2:登録第2198446号

第24類「布製身の回り品」他、第 25類「被服」

 

3:登録第1934194号

第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ,レコード」他、第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」他、第 28類「おもちゃ,トランプ,遊戯用器具,運動用具」他

 

4:登録第2715796号

第28類「ゴルフ用具」

被告

◆本件商標(登録第5712040号)

 

「コナミスポーツクラブマスターズ」(標準文字)

 

◆無効請求商品役務

 

第16類「ゴルフに特化した文房具類, ゴルフに特化した印刷物」他

第25類「ゴルフ用洋服, ゴルフ用シャツ,ゴルフ用帽子, ゴルフ靴, ゴルフ靴用スパイク」他,41類「ゴルフの教授, ゴルフに関するセミナーの企画・運営又は開催, オンラインによるゴルフに関する画像・映像の提供, ゴルフに関する放送番組の制作」他

 

結論
請求棄却(無効不成立審決の維持)
本件商標の要部は「コナミスポーツクラブ」であり、引用商標とは非類似(4条1項11号・15号・19号に非該当)。本件商標が出願経過等に照らし公序良俗に反する具体的な事実の主張・立証はない(4条1項7号に非該当)

主な争点

①4条1項11号該当性に関する認定判断の誤り
②4条1項15号該当性に関する認定判断の誤り
③4条1項19号該当性に関する認定判断の誤り
④4条1項7号該当性に関する認定判断の誤り

主な争点

①4条1項11号該当性に関する認定判断の誤り
②4条1項15号該当性に関する認定判断の誤り
③4条1項19号該当性に関する認定判断の誤り
④4条1項7号該当性に関する認定判断の誤り

①4条1項11号該当性に関する認定判断の誤り
②4条1項15号該当性に関する認定判断の誤り
③4条1項19号該当性に関する認定判断の誤り
④4条1項7号該当性に関する認定判断の誤り

①4条1項11号該当性に関する認定判断の誤り
②4条1項15号該当性に関する認定判断の誤り
③4条1項19号該当性に関する認定判断の誤り
④4条1項7号該当性に関する認定判断の誤り

判決要旨

◆2 法4条1項11号該当性について(28頁)

(1)本件商標について

本件商標は,「コナミスポーツクラブマスターズ」の片仮名15文字を標準文字で表して成る文字商標であって,同一の大きさ・書体の文字により,全体が等間隔で一行にまとまりよく配置されており,一連一体のものとして構成されていることが明らかである。
また,前記のとおり,我が国においては,「コナミスポーツクラブ」は被告子会社※が運営するスポーツクラブの名称として周知であるから,同部分は取引者・需要者に対し出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められるのに対し,「マスターズ」は原告主催のゴルフ・トーナメントの略称のみならず,熟練者ないし中高年を含む一定年齢以上の年齢層を対象とした各種スポーツ競技ないし競技大会をも指す語として,スポーツ愛好者等の間に広く知られており,現にゴルフはもちろん,ゴルフ以外の競技においても,大会名において「マスターズ」の語が広く使用されている事実が認められることからすると,同部分は(例えゴルフに関連する商品・役務に使用されたとしても)直ちに特定の出所を表す識別標識として機能する部分とはいえない。

※被告子会社:㈱コナミスポーツクラブ(被告の完全子会社)

この点,原告は,本件商標においては,「マスターズ」の部分から直ちに原告主催の「マスターズ・トーナメント」の観念が生じると主張するが,前記のとおり,本件商標が一連一体のものとして構成されていること,我が国において「コナミスポーツクラブ」が周知であること,「マスターズ」の語義が複数あって「マスターズ・トーナメント」以外の語義もそれなりに周知であると認められることからすると,本件商標における「マスターズ」の語義は,飽くまで「コナミスポーツクラブ」の部分との関連において解釈されるとみるのが相当である。そうすると,「マスターズ」の部分は,本件商標においては,「熟練者ないし中高年を含む一定年齢以上の年齢層を対象とした各種スポーツ競技ないし競技大会」の意味で用いられていると理解するのが合理的であって,同部分から「マスターズ・トーナメント」の観念が生じるということはできない。したがって,かかる原告の主張は採用できない。
以上によれば,本件商標からは,「コナミスポーツクラブマスターズ」の外観及び称呼と,「コナミスポーツクラブが関連する何らかのマスターズ競技ないしその競技大会」との観念が生じるとともに,特に前半部分に着目して,周知のスポーツクラブである「コナミスポーツクラブ」に対応した外観,称呼及び観念が生じるものと認められる。

・本件商標は一連一体で「コナミスポーツクラブ」が周知であり、「マスターズ」の語が複数あってマスターズ・トーナメント以外の語義も周知であるから、本件商標の「マスターズ」の語義は、飽くまで「コナミスポーツクラブ」の部分との関連で解釈されるとした